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東宝ニューアクションの異端児「白昼の襲撃」

04 14, 2011
監督:西村潔
音楽:日野皓正
出演:黒沢年男(現:年雄)、高橋紀子、出情児、岸田森、緑魔子、殿山泰司 他

仕事を転々としながら悶々とした日々を送る修(黒沢年男)。そんな彼はある日、少年院時代からの親友・佐知夫(出情児)とあるバーで出会い、拾ったという拳銃を渡される。その拳銃を使いスーパー強盗などをして暮らす修達だったが、ある日車泥棒をしようとした際、ふとした拍子で大学生を射殺してしまうところから運命の歯車が狂っていく...


かつて東宝ニューアクションというジャンルがありました。「狙撃」「弾痕」「薔薇の標的」「野獣死すべし 復讐のメカニック」や「野獣都市」に至るまで、制作されたのは極めて短期間(1969年~75年ぐらい)ながら非常に刺激的な作品が多いです。しかし、現在のDVD化でもかなり冷遇されているのも事実です。(最近ほんの一部の作品だけDVD化されましたが)

中でも、松田優作氏曰く「東宝ニューアクションの唯一の担い手」こと西村潔監督の作品は冷遇されており、東宝が出したのは「豹は走った」「黄金のパートナー」の二本のみ。その他キングレコードから「ヘアピン・サーカス」(残念ながら僕は未見ですが傑作との話です)がDVD化されていますが、初期の二本(「死ぬにはまだ早い」「白昼の襲撃」)はビデオ化すらされませんでした。まあそもそも監督本数が少ない方なんですが。

今回はそのうちの一本です。(昨年チャンネルNECOにて録画)

なんというか、金が掛かってないのが良く分かる映画です。しかしそれを独特のシャープな映像感覚で処理してしまう西村監督の手腕はさすが。日野皓正の気だるいトランペットもマッチしています。

なにより岸田森との対比が素晴らしい。インテリで人を殺したこともない男と、生まれたときから不幸な人生を歩んできた男。同じような事を行いつつもその志向が全く異なる。将来のためのテロ計画に金を使う岸田森、ただただ刹那的な暴走をしていく黒沢年男。しかし行き着く先は同様に「死」。

結局登場したキャストの殆どが死んでいくのだが、どこまでも往生際が悪いのは殿山泰司。これも戦前からのやくざと戦後派のコントラストを意識してるのかな、「仁義なき戦い」の金子信雄と菅原文太のごとく。

しかし、いくらやくざが出てきても組長が洋風の一軒家に住んでいるのはやっぱり東宝の映画といった感じ。(正確には東京映画だけど)

ところで、なぜ東宝ニューアクションの「異端児」なのかというと、「プロ」が出てこないからです。「狙撃」「弾痕」「豹は走った」「薔薇の標的」はいずれも殺しのプロの話。「ヘアピン・サーカス」「死ぬにはまだ早い」もプロは出てくる。
しかしこの映画は徹底してアマチュア、というか素人です。だから収拾が付かなくて皆殺しという凄まじいラストに繋がっていく。(他の映画だとプロなりの収拾の付き方とをしてますね)


ただ、この映画は登場する若者3人の描き方が類型的すぎる。もはや「ズッコケ三人組」レベル(というのはさすがに失礼だけど)。あと、それぞれの生い立ちが結局台詞で処理されちゃっているのも残念でこれが原因でラストに感情移入があまりできない。

まあ是非見て欲しい傑作というほどではないが佳作でありました。ちなみに西村監督の処女作「死ぬにはまだ早い」は大傑作でございますが、これはまた別の機会に...


やっぱ邦画のがサラサラ語れるなあ。次の映画は未定でありますが深作欣二監督作あたりを書けたらいいなと思ってます。
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