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スーパーハイクオリティ時代劇再び「鬼神伝」

04 30, 2011
監督:川崎博嗣
キャラクターデザイン:西尾鉄也 サブキャラクターデザイン:外丸達也
作画監督:外丸達也、橋本晋治
声の出演:小野賢章、石原さとみ、中村獅童 他
アニメーション制作:スタジオぴえろ

謎の魔物に襲われ、1200年前の平安時代にタイムスリップしてしまった少年が、人間と鬼の壮絶な戦いに巻き込まれていく様を描いた歴史冒険アニメ。

こういう物語にありがちな、「主人公はひ弱で優柔不断な男の子」というプロット。そして当初自分に関与してきて、かつ割りと好印象を主人公に与える人物、その価値観を完全にひっくり返す後半。何より、選ばれた二者択一の道のどちらをも選ばず最も辛いが最も良い第三の道を選びそれを成し遂げる。

こうして羅列してみると本当にありがちな、かつ単純なプロットの連続だと思います。しかし、このありがちなプロットを一つの映画として筋を通し、当たり前のことを当たり前に行うことの難しさ。
特に「第三の道」の問題では己が選んだ道であるだけに最も困難な道である必要があり、かつそれが観客にはっきり伝わる形で表さなければならない。そしてその解決法は「デウス・エクス・マキナ」的要素を上手く排しながら納得の行く形で主人公が己の力を元に成し遂げなければならない。

んで本作では(ネタバレになるけど)
二者択一の道→鬼に付くか、貴族に付くか
第三の道→和平
困難→源雲、そしてその圧倒的妖術
解決法→八岐大蛇の復活
となっている。正直言ってここまでこのプロットを上手く扱えている作品ってそうそうないと思う。やはり力の解放から琵琶湖に立つ巨大な水柱、そして天から出現する水の神・八岐大蛇の迫力は凄い。このカタルシスは近年のアニメ映画ではなかなか味わえない。

舞台が平安時代のアニメーション映画も極めて稀なんじゃないだろうか。現在僕が時代劇アニメーションの中でも最高傑作だと信じる「ストレンヂア-無皇刃譚-」は戦国時代半ばに時代設定されている。というか「もののけ姫」も「戦国BASARA」もみな戦国時代に設定がされており、他の時代の作品は殆ど見当たらない。そういった意味でも非常に稀なアニメで面白かった。

作画の話を最後にちょこっとすると、大平晋也さんが参加されているかなー、とか思いながら見ていたんだけど橋本晋治さんが作監に入っていてビックリ。作画監督めちゃくちゃ久し振りだよね。
あと見てる最中に、金子秀一さん、橋本敬史さん、伊藤秀次さんの参加は分かったのが嬉しかった。ただ柿田英樹さんと村木靖さんいると思ったけどいなかったんだよなあ、蜘蛛に石火矢みたいなの打つとこの爆発、それ臭いと思ったんだけど。
山下宏幸さんは四天王が二対二で戦うとこじゃないかな、ブラーの使い方が「NARUTO」と一緒だった。

ともかく、多少キャラクターデザインにクセはあるけれど、単純かつカタルシスあふれる物語をハイクオリティなアニメーションで拝めるなかなか良い作品でございました。

P.S.どうでもよいですが、初日に映画見に行ったの初めてです。
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