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『黄金を抱いて翔べ』

11 08, 2012
原作:高村薫
監督:井筒和幸
出演:妻夫木聡、浅野忠信、チャンミン、桐谷健太、西田敏行、溝端淳平、田口トモロヲ、鶴見辰吾 ほか

しばらくぶりです、ずっとtwitterにレビューらしきものを書いていたのですが、ブログの方がまとめて書けるのでこっちに戻ってまいりました。といっても「評論」のようなものは書けるべくもなく、「感想」か良くて「雑感」程度にとどまると思いますが。

さて、今回取り上げますのは大傑作『ヒーロー・ショー』で気を吐いたベテラン井筒和幸監督の最新作、『黄金を抱いて翔べ』です。どうも2012年は若手から中堅監督の活躍が目立ち(『桐島』『鍵泥棒のメソッド』など)、ベテラン監督では、せいぜい原田眞人監督が『わが母の記』でキャリアで最高に近い仕事を残したことを除けば『あなたへ』の降旗康男、『天地明察』の滝田洋二郎も微妙な仕事だな、と感じていました(残念ながら西川美和の『夢売るふたり』は未見です)。
現在は『のぼうの城』『終の信託』『アウトレイジビヨンド』『北のカナリアたち』などが次々と公開され始めた訳でそんな中で見に行ってまいりました。さっそく感想に参りたいと思います。

井筒監督の映画はとにかく「痛み」や「生々しさ」を感じる。そしてスピーディな展開も持ち味です。今回は上映時間が129分ということでどうなるのか、と思っていましたが幾つもの要素が複合的に展開していき、じっと考えてしまえば「携帯使えよ!」とか「鶴見辰吾はどうなったんだよ!」とか突っ込めなくもないのですが、それは見終わった後で思いついたことで、やや消化不良のところはあるにしろ、まさに息も付かせぬノンストップアクション映画でした。

展開としては前半は仲間集めと強奪計画、そして諸組織による妨害が展開されていき、後半は一気に金塊強奪になだれ込んで生きます行きます。回想などが入る前半は、ともすれば冗長かな、とも思いましたがそれでも田口トモロヲの過激派が出てくる辺りから俄然いままでの伏線がつながり始めて面白くなってきます。音楽がとにかく目立たないのもグーです。気になったのは人物の掘り込みの浅さ。これはいろいろと問題があり、チャンミンがあれだけ金塊強奪にのめりこんでいく理由も判然としないし、西田敏行と妻夫木の絡みや描写もいまいち印象が薄いため、ラスト付近のあの場面もやや蛇足だと感じました。

また、「深作欣二作品に近いかもしれない」というレビューを書いておられる方がいましたが、人があっけなく死んじゃうとこ(特にラストのアレ)とか、「痛み」や「生々しさ」をもって描かれる暴力シーンやSEXなどは近いものを感じさせますが、北朝鮮の工作組織、公安、労働運動を引きずった左翼過激派などが絡んでくるのは20年年下の井筒監督らしいところであり、また深作は同様に賭博資金強奪計画とその顛末を描いた『資金源強奪』では軽妙なオフビート感満載のゲーム的な描き方をしており、それも本作と対照的だったり。

個人的には、この手のアクション映画は本来なら今作のような大作に近いバジェットと豪華俳優陣で制作されるよりも脇がキラリと輝くようなプログラムピクチュアとして制作してほしいものですが、現状でそれを望むのはやや酷なことでしょうか(同じことを『探偵はBARにいる』でも思いましたが)。

ともかく、やや重厚に過ぎる気がするものの、ぜひ見てほしい今年度イチオシのアクションエンターテインメントでありました。
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