スポンサーサイト

-- --, --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『終の信託』

11 15, 2012
2012年・制作:フジテレビ=東宝=アルタミラピクチャーズ 配給:東宝
原作:朔立木
脚本・監督:周防正行
出演:草刈民代、役所広司、大沢たかお、浅野忠信、中村久美 ほか

周防監督、劇場用長篇としては5年ぶりの新作(2011年に『ダンシング・チャップリン』を監督)。『Shall We Dance?』のコンビ再びだが今回は全体的に重苦しく、ハードな作風に。
映画の2/3は、役所が草刈と親交を深め、やがて死ぬまでを描いているが、ややまったり過ぎて「私のお父様」が流れるところでややウトウトしてしまった。後半1/3は打って変わって検事との攻防となり、裁判物の変形といった様相を呈してくる。自分は法学に関しても医学に関してもからっきしなので内容自体については特に触れないが、大沢たかおはややオーバーアクトかな、と思った。大沢たかおと浅野忠信のキャスティングが逆の方が面白かったのではないか。
ただ、検事室(?)の場面は夕方から夜にかけてという設定もあるのだが、大沢と草刈が対峙している場面でだんだんと部屋が暗くなってくるライティングが素晴らしく、またラストに草刈が逮捕されて廊下を歩くシーンも緑のライトが効果的に使われており、素晴らしい。

問題なのは、やはり先ほども言った様に自分のような法律に関しても医学に関してもズブの素人である人間から見て、役所と草刈の交流というものが草刈が最後に取った行動といまいちリンクしてこない、つまり交流自体は丹念に描かれているものの草刈自身が何を考えているのかよく分からない、という点である。
おかげで大沢との対決でも草刈自身が言っていることがいまいち不明瞭で我々観客には、言葉以上のメッセージ性を有さない、という大変残念な結果を生んでいる。
また、草刈の自殺未遂に関しても、その後とイマイチ密接にリンクして来ず、大沢検事の台詞で初めて意味を成してくる、というチト悲しい顛末になっている。そもそも浅野忠信との不倫セックスシーンは、はっきり言って草刈民代の裸が見られるというサービスカット以外の意味を持たず、ごっそりカットされても特に問題はなさそうで残念。最後をスーパーインポーズでまとめてしまったのも時間配分の失敗ではないかという気もする。

と、不平不満を長々と書いてしまったが草刈と役所の交流は基本的にFIXで捉えられ、静謐ながらも二人の会話に緊張感が満ちている。特に役所の気管支喘息演技は凄い。後半も大沢との1対1の対話はカッティングの切れやライティング、音響に至るまで前半の暖かさとは真逆の冷たい空気感の中で緊張が持続する。

全体としてみれば力作であるし、そこそこ面白いのだが、一方で苦しい部分が目立ってしまっている、という印象が強く、『それでも僕はやってない』には及ばないと感じた。

それにしても、今作も『ダンシング・チャップリン』に近い入れ子構造の形を取っているのは面白い。また、原田眞人『わが母の記』との比較も面白そうである(小津に対する思い、「大人の」ドラマという問題、など)。
0 CommentsPosted in 邦画
-0 Comments
Leave a comment
管理者にだけ表示を許可する
Top
-0 Trackbacks
Top
プロフィール

mariot3rd

Author:mariot3rd
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。