『誘惑 COUNT DOWN』
1995年の18禁OVA『誘惑 COUNT DOWN』です。VHSで全3巻、15分×6本のオムニバス形式なので非常に見やすくオススメです。
まあ18禁なんで当然濡れ場はあるんですが。まずはスタッフ情報から。
(共通スタッフ)
原作:うたたねひろゆき
監督:増尾昭一
キャラクターデザイン:近永早苗
音響監督:岩浪美和
制作協力:APPP
アニメーション制作:AIC
製作:ピンク・パイナップル
(各巻スタッフ)
1巻
監督・絵コンテ:増尾昭一
キャラクターデザイン・総作画監督:近永早苗
作画監督:杉山東夜美、別所誠人
演出:阿部雅司
原画:
「ALIMONY HUNTER」
友野由悠季
福世孝明
木村圭一郎
横山義家
島田俊彦
飯田宏義
「SEEK」
こんのなおゆき
木村圭一郎
三坂徹
2巻
キャラクターデザイン:近永早苗
絵コンテ:
「ずっと甘いくちびる」
本谷利明
森川定美
「紅」
大上浩明
作画監督:近永早苗、杉山東夜美、別所誠人
演出:鈴木R絵夢
原画:
「ずっと甘いくちびる」
本谷利明
木村圭一郎
大上浩明
森川定美
東京アニメーションセンター
「紅」
長岡孝喜
小形大作
三坂徹
森川定美
3巻
演出:伊集院明
キャラクターデザイン:近永早苗
絵コンテ:
「バージンロード」
吉田英俊
「暴れん坊少年」
森たけし
増尾昭一
作画監督:
「バージンロード」
奥田万つ里
「暴れん坊少年」
別所誠人
原画:
「バージンロード」
嶋田俊彦
福世孝明郎
横山義家
山岸徹一
谷圭司
戸井一樹
東京アニメーションセンター
「暴れん坊少年」
こんのなおゆき
百瀬恵美子
川口栄夫
横山淳一
増尾昭一
(感想)
というか、見所を中心に。1巻は「ALIMONY HUNTER」「SEEK」を収録。前者は都会を舞台にしたレズ物ですが後者はなんと中世の騎士道物語のパロディみたいな内容。前者も個人的には好きですが(山口勝平キャラが掘られます)、見所は後者に集中。以下キャプチャ何枚か。





原画クレジットはありませんが爆発関連は増尾さんで確定だろうなあ。アクションは紺野直幸さんですかね。


金田光だったり、タメツメの効いた動きだったり。内容的には王女様とプレイするはずがなぜか女王様プレイになってしまうというもので、笑えます。
続いて2巻、「ずっと甘いくちびる」「紅」を収録。「紅」は女形のホムンクルスを飼っている変態(童貞)の奇行とモノローグが続く話で、なんというかかなりダウナーな感じ。塩沢兼人さんの独白がその空気に拍車をかけてます。
やっぱ特筆すべきは「ずっと甘いくちびる」。本谷さんと森川さんコンテで、美人の先生が実はふた〇りで、かないみか(こおろぎさとみかも)演じる女子高生が犯されてしまうというお話。とにかく芝居が細かいです。手の描き方とかすげえ好き。



80年代後半~90年代前半にかけて、ディーン系の人がよく描いてる手袋みたいな手の描き方いいですよね。



この回は背景美術を上手く活用した演出も特徴的。ちょっと小林七郎チック(美術監督クレジットなし)。日常芝居の空間を上手く演出しようという意図が強く出ています。
そして3巻。「バージンロード」は「AKIMONY HUNTER」「ずっと甘いくちびる」の続きです。奥田万つ里さんのAIC調な劇画キャラが端正な一本。
もう一本が快作(怪作?)「暴れん坊少年」(タイトルバックでは「少年」にモザイクかかってます)。ある惑星の「E.D.O」と呼ばれる、江戸によく似た現代都市(『銀魂』みたいなの想像してください)に突如巨大ロボットが出現して生娘をかっさらっていくというスケールがデカいのか小さいのか分からない話。有り体に言えばアダルトアニメ版「明治からくり文明奇譚〜紅毛人襲来之巻〜」です。ちなみに敵は山口勝平。チ〇コがデカいという設定です。んでまあレズの親分とゲイの子分がこのロボットに立ち向かっていくんですが、なんとゲイの子分が変形してロボットになるという。しかもそのロボットがアレに似ているわけです。

もちろん増尾エフェクトも満載。三枚目なんか濃厚で素晴らしいです。



増尾名物バリアー割れ。間に面白いエフェクトが混ざってます。


ラストはやっぱ大爆発。一枚目がちょっと佐々木正勝さんチックです。


ところで、このシリーズほんとにキャラの崩し方が上手い。たとえば「暴れん坊少年」だけでも、


てな感じ。『POP CHASER』とかの影響強いんですかねえ。ずっと堅いAIC調の絵だけでなくこういうギャグ顔挟んでくれるおかげで気楽に観られます。
増尾昭一さんのメカ、アクション作品以外での演出という点からもオススメのシリーズです。